残業代、休日割増賃金等の請求
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労働基準法上では、残業に関する協定(通称「36協定」)を結ばなければ残業をさせてはならない。これに違反すると刑事罰さえある。
また、36協定を結んでも基本的に1日8時間以上、又は週40時間以上勤務させると残業代を支払わなければならない。
しかるに、未だにサービス残業をさせられている労働者は多い。これまで、私が残業代請求の裁判をしたケースで金額が多いケースでいうと1件は1000万円近くの和解金をもらって終了。もう一件は、950万円余りであったが、相手方の企業が破産したため、どれだけの配当がなされるか心配であったが、労働債権は他の破産債権より優遇されるため、結局、訴訟費用含め全額配当がなされた。(なお、倒産した会社の労働債権については未払賃金立替払という制度もあり、退職時期が会社の倒産の時期に近ければ、それも使えます。)
過酷な労働やサービス残業をさせられている人は、是非とも、弁護士に相談してください。
(兼光弁護士のブログより)
不当解雇の撤退
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解雇を巡る紛争は頻繁に生じます。しかし、法律上は「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。」とされており(労働契約法16条)、解雇には必ず「合理的な理由」が必要となります。
よって、裁判所が解雇に「合理的な理由」がないと判断すると当該解雇は無効となりますので、そのような不当な解雇がなされた場合には、使用者に解雇の撤回を求めることができます。
当事務所においても、解雇にまつわる紛争(労働審判・地位保全の仮処分等)は、数多く取り扱っておりますので、お気軽にご相談ください。
ただ、うつ病を理由に無断欠勤しながら、実はよそでアルバイトをしていたとか、タイムカードに不正刻印をしていたなどという、不誠実な労働者は当然ながら救われませんので、ご注意ください。
労働条件の不利益変更
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使用者が一方的に就業規則を変更することにより、労働条件が不利益に変更されることがあります。しかし、そのような変更が許されるのは、①使用者が変更後の就業規則を労働者に周知させたこと、②就業規則の変更が合理的なものであることという2つの要件を充たす場合のみです(労働契約法9条但書、10条本文)。
逆に言えば、このような条件が満たされない限り、労働条件の不利益変更は認められません(労働契約法9条本文)。
そして、上記②の要件は、労働者の受ける不利益の程度、労働条件変更の必要性、変更後の就業規則の内容の相当性、労働組合等との交渉状況等の事情に照らして厳しく判断されますので(労働契約法10条本文)、労働者側としては、これらの点から労働者にとって有利な事情を主張することによって、使用者側と交渉することになります。
セクハラ・パワハラ被害
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会社の従業員から「セクシュアルハラスメント(セクハラ)」(性的嫌がらせ)や「パワーハラスメント(パワハラ)」(上司や先輩等が部下の労働者に対してなす嫌がらせ的行為)を受けた場合、その従業員に対しては、不法行為責任に基づく損害賠償請求(民法709条)を行うことができます。
また、会社に対しては、使用者責任に基づく損害賠償請求(民法715条1項本文)等を行うことができます。
このような請求を従業員や会社に行うことにより、財産的な損害(例えば、セクハラやパワハラにより肉体的・精神的疾患に陥った場合の治療費や休業損害等)、精神的な損害(慰謝料)の賠償をさせることができます。